Update 2022.2.4
受け継ぐ京都の食文化
五感で楽しむおばんざい 「ぎゃあてい」
京都市右京区の、嵐山電鉄の嵐山駅のすぐお隣にある「ぎゃあてい」。お店の横ではテイクアウトの生麩や湯葉餃子を販売しており、道行く人の目を惹いています。1995 年の創業以来、人々にとにかく楽しんでもらいたいという思いで、お店を営んできたそうです。こだわりは、京料理としての伝統を受け継いだ味はもちろん、目でも楽しめる工夫を盛り込むこと。その魅力を探ってきました。
創業当時はバイキング形式で料理を提供していたそうですが、コロナ禍でおばんざいの「御膳」スタイルに変更したとのこと。四季折々の御膳には、京都ならではの西京漬けや、旬の京野菜を使用した煮炊きもの、西京漬けのローストビーフ、湯葉餃子、生麩田楽など、他店にはない独自の魅力が沢山詰まっています。
生麩田楽の“あわ”はモチモチで味噌との相性がよく、何個でも食べられそうなおいしさ。湯葉餃子は見た目よりも食べ応えがあり、ジューシーで満足感がありました。花鰹で丁寧にとったシンプルな出汁を使い、どんな料理にも合うようにしています。
小鉢の下に敷いてあるお品書きは、社長がご自身で書いておられるとのこと。料理だけではなく、こんなところにも目で楽しむ工夫がなされています。店内に飾ってある絵も、社長の手によるものだそうです。プロの作品かと思うほどに芸術性溢れるものなので、ぜひお店に足を運んで実際にご覧いただきたい注目ポイントです。2階の席からは嵐山の絶景も楽しめますよ。
今回、取材を通していろいろなお話をお聞きして、お客様に楽しんでもらいたいという思いがひしひしと伝わってきました。京料理の伝統と食文化を幅広い年代や外国の方にもアピールするために、伝統と新しさへの挑戦の両面を大切にする姿勢には、私たちも大いに刺激を受けました。
ちなみに、「ぎゃあてい」という店名の由来は般若心経の一節で「思うがままに行きなさい」という意味があり、「好きなものを思うがまま食べてほしい」という意味を込めて名付けたそうです。御膳に並んだたくさんの小鉢を楽しみながら、みなさんも思うがままに食べてみてください。
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